Entrepreneurial Finance and Private Equity
2年生の秋学期にSteven Kaplan先生のEntrepreneurial Finance and Private Equityという授業を履修しました。
Chicago Boothの授業は複数の切り口のマトリックスとなっています。特に、①視点・立場(Who)、②事業の成熟度(Maturity)、③ファンクション(Function)の3軸で区切られている事が多いです。
例えば、①経営者の視点で、②成熟企業の、③ファイナンスを学ぶのであれば、Corporation Financeの授業がありますし、①経営者の視点で、②スタートアップ企業の、③ストラテジーを学ぶのであれば、Entrepreneurial Discoveryというスタートアップの戦略を学ぶ授業があります。
Entrepreneurial Finance and Private Equityは、①株主の立場で、②スタートアップ、成熟企業両方の。③ファイナンスを学ぶ授業であります。つまり、バイアウトファンド(成熟企業向け)やVenture Capital(スタートアップ向け)の立場でファイナンスを学ぶ授業になります。
まず、テイクアウェイとしては、とにかく実務的です。
「市場慣行では○○%だ!」
これに価値があります。
Eugene Fama教授のPortfolio Choice and Asset Pricingと正反対な位アカデミックに依拠しない箇所が多いです。
例えば、ある日、現役のVCのパートナーがスピーカーとして授業で講演しました。
誰かが、バリュエーションに関する質問をした際に、パートナーは、対象会社側が提出してきた事業計画に基づいたバリュエーションをを半分にする!と言うのです。
当然、次の質問は、「Why half?」となります
「Because it's half!」
回答になってません。でも、これが実務家の1人のアプローチなんです。
「とにかく感覚的に半分なんだ」と!
理由は「経験」です。
本授業ではほぼ毎週スピーカーを招待し、実務について詳細に話してもらいます。授業を通して多くのPEやVCのパートナーの話を聞き、経験の間隔を得る事ができます。
そして、契約書にも触れます。
例えば、Initial Coin Offering。何故ICOに投資すべきではないのか?直観的にリスクが高い事は分かっていますが、具体的に何のリスクが大きいのか?Kaplan教授はハッキリと言い切ります。
「There is no liquidation rights for investors on ICO, so it's stupid. Don't invest」
Kaplan教授はトランプ大統領級に分かり易く、シンプルに物事を言います。