Chicago Booth MBA留学記

2017年9月から2019年6月までのThe University of Chicago Booth School of BusinessへのMBA留学記録です

Entrepreneurial Finance and Private Equity

2年生の秋学期にSteven Kaplan先生のEntrepreneurial Finance and Private Equityという授業を履修しました。

Chicago Boothの授業は複数の切り口のマトリックスとなっています。特に、①視点・立場(Who)、②事業の成熟度(Maturity)、③ファンクション(Function)の3軸で区切られている事が多いです。

例えば、①経営者の視点で、②成熟企業の、③ファイナンスを学ぶのであれば、Corporation Financeの授業がありますし、①経営者の視点で、②スタートアップ企業の、③ストラテジーを学ぶのであれば、Entrepreneurial Discoveryというスタートアップの戦略を学ぶ授業があります。

Entrepreneurial Finance and Private Equityは、①株主の立場で、②スタートアップ、成熟企業両方の。③ファイナンスを学ぶ授業であります。つまり、バイアウトファンド(成熟企業向け)やVenture Capital(スタートアップ向け)の立場でファイナンスを学ぶ授業になります。

 

まず、テイクアウェイとしては、とにかく実務的です。

「市場慣行では○○%だ!」

これに価値があります。

Eugene Fama教授のPortfolio Choice and Asset Pricingと正反対な位アカデミックに依拠しない箇所が多いです。

 

例えば、ある日、現役のVCのパートナーがスピーカーとして授業で講演しました。

誰かが、バリュエーションに関する質問をした際に、パートナーは、対象会社側が提出してきた事業計画に基づいたバリュエーションをを半分にする!と言うのです。

当然、次の質問は、「Why half?」となります

「Because it's half!」

回答になってません。でも、これが実務家の1人のアプローチなんです。

「とにかく感覚的に半分なんだ」と!

理由は「経験」です。

本授業ではほぼ毎週スピーカーを招待し、実務について詳細に話してもらいます。授業を通して多くのPEやVCのパートナーの話を聞き、経験の間隔を得る事ができます。 

 

そして、契約書にも触れます。

例えば、Initial Coin Offering。何故ICOに投資すべきではないのか?直観的にリスクが高い事は分かっていますが、具体的に何のリスクが大きいのか?Kaplan教授はハッキリと言い切ります。

「There is no liquidation rights for investors on ICO, so it's stupid. Don't invest」

Kaplan教授はトランプ大統領級に分かり易く、シンプルに物事を言います。

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Steven Kaplan教授

 

 

 

Random Walk to Morocco

9月5日に新年度開始のオリエンテーションが迫っている中、8月18日から26日までランダムウォーク(RW)というPre-MBA Tripに参加してきました

以下のリンクにある通り、行先は31か所あり、各RW毎に20名前後が参加します。特に特徴的なのは2年生4名がリーダーとなり旅行を作り上げる点でした
http://student.chicagobooth.edu/group/randomwalk/

 

私はモロッコのRWに参加しましたが、「これぞ!ビジネススクール!」と感じるポイントが随所にありました

 

その1:バスでの移動時間が長い時には、バスに大量のビール、ワイン、ウォッカ、チップスを持ち込み、iPhoneからBluetoothで繋いだ音楽スピーカーをガンガンに鳴らし、ひたすらパーティーしました(高速道路では危険です。笑)。因みにほぼ毎日してました

 

その2:バスでのパーティーに飽きてきたら、「みんなでMusic Videoを撮ろう!」ということになり、みんなで2時間位振付を考えて、それをGoPro(ビデオ)で撮影しました

私には、こんなもの(!?失礼?笑)に2時間も掛けるという発想は全くなかったので、皆でこうやって1つのものを作り上げる一体感というのは、高校生の文化祭みたいだなと思いました(知らぬ間に無くしてしまっていたものを思い出させてくれました)

 

その3:一晩砂漠でキャンプする日があり、皆が事前にコスチュームを用意して、その晩に砂漠でフラパーティー(ハワイの民族衣装パーティー/フラダンスのフラ)をしました。事前にコスチュームを買いに行くとか、いかにもビジネススクールらしいと感じました

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その4:帰りに経由地のマドリッドで1泊した際に、ディナー後に皆でルーフトップバーに行きました。すると、既に席を占領しているグループがおり、「なんだよ!あいつら早く帰れよ!」などと我々は文句を言っていました(笑)。するとBoothの一人がそのグループと話し始めた為、一触即発か!?と思ったその瞬間、彼らがIEビジネススクールの1年生(1年制ですが)だと判明し、急に仲良くなり一緒に飲みました。しかもそこで「こいつ日本人だけど知ってるか?」と挙げられる名前が全て私も知り合いであり、本当に世の中の狭さを感じました。その後クラブに行ったらKelloggのKWEST(同じくPre-MBA Trip)のモロッコ組に会い、ここでも横の繋がりが広がりました

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所感として、この旅行の狙いは大きく2つあるのかと思いました

  1. 一緒に行った仲間とボンディングを深める(流石に1週間毎日一緒に過ごしたら絶対仲良くなります)
  2. シカゴをホームだと感じさせる(見ず知らずの土地からシカゴに皆で戻ってきた際には、ホームに戻ってきた様な感覚になりました)

また、2年生のリーダーシップ育成にも繋がっていると強く感じました。2年生は夏のインターンシップ(ゴールドマン・サックス(NYオフィス)、T. Rowe(米国の著名投資ファンド)、General Motors等でインターンをしていました)が終わった直後の忙しい時期に、ほぼ自腹で参加してくれ、BoothのPay-forwardの精神を強く感じました。この様な上下の繋がりがあるのも、2年生MBAの良い所だと思いました

 

早くも正式なプログラムスタート前から各種イベントがあり、9月5日が楽しみです!